JA京都

2007.11 Vol.68

32 黒豆の甘煮
母から娘へ伝えられた我が家になくてはならない料理をスローフードとして紹介します。



 “物干しざおが掛かる”と、地元の人々が例えるほど狭い谷あいの生畑。その集落を見下ろす文代さんの部屋には、里山の恵みを封じ込めた瓶がたくさん並んでいます。自宅の庭で拾ったクリの渋皮煮と甘露煮、裏山で掘ったタケノコの水煮、フキの佃煮、ユズジャム…。八重桜やツバキの花びらのジャムまであります。

 

 「瓶詰めを作るのが楽しいんです。知り合いにあげるとみんな喜んでくれはる。それを間にうけて、また調子にのって作って。いつも、これ何ぞ、どないかして食べられへんやろかと思いもって歩いています」。

 

 文代さんは毎年、進物やおせち料理の一品として黒豆を煮て、秋に作っておいたクリの甘露煮を彩りに散らしてごちそう風に仕上げます。もぎたてのブドウのような艶やかさ、ふっくらとした炊き上がりに驚き、その秘けつを尋ねてみると、「ガタガタ早いこと炊かんと、ゆっくりと小さい火でコトコト、コトコト、時間をかけています。だいたい2日間はかかるかな」とのこと。

 

 丹波黒大豆の産地として知られる日吉町とあって、黒大豆や小豆はご近所からの頂き物。文代さんはその豆を使った甘煮や和菓子をお返しに届けます。

 

南丹市日吉町生畑
船越 文代さん
昭和28年に結婚。長年、縫製の仕事に従事。一番の趣味は読書で、縫製の作業場として使われていた建物には本がうずたかく積まれている。調理師として長年、青少年山の家で働く。京都府認定の「おふくろ名人」の一人。
 
船越家の黒豆の煮物

材料
黒豆2カップ、しょう油適量、みりん適量
A[米のとぎ汁6カップ、重曹小さじ1/2]
シロップ[砂糖270g、水3カップ]

作り方
【1】黒豆をAに10時間ほど浸ける。
【2】鍋に水を入れ、落としぶたをして1時間ゆでる。水をかえてこの作業を3、4回繰り返す。
【3】豆が軟らかくなったらシロップの中に入れ、35℃に温め、落としぶたをして弱火で煮詰める。
【4】仕上がりにしょうゆ、みりんを入れる。
 

 
・途中で落としぶたを取らないこと。
 
プリンタ出力用画面


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