JA京都

2006.08 Vol.53

17 谷水菜の煮物
母から娘へ伝えられた我が家になくてはならない料理をスローフードとして紹介します。



 山あいの渓流沿いなどに自生する谷水菜は、京野菜の「みず菜」とはまったく別のもの。細川ガラシャの隠棲の地、味土野に向かう途中に位置する野間地区では5月から6月の初めにかけて家々の食卓に上る山菜です。戦時中にはおかゆのかさ上げにも使われたそうです。

 

 「どっこの谷にでもあるいうことはなくて、水がチョロチョロ出とる所に生えています。フキと違って味がないので油揚げや何かを入れて炊きますが、煮ると谷水菜が自分たちで水分を出し合うので常に『あ、だしがあるな』というくらいの煮汁にすること。しょう油は初めから全部入れたら固くなるので、うどんのつゆくらいの味で炊き始め、段々に加えていきます」。

 

 安田さんが一人で切り盛りしている食堂「山崎屋」にもヨモギやフキ、ワサビ、谷水菜などの山菜は欠かせません。

 

 「田舎だでやっぱり山菜は何か一品がないと〜。都会から川遊びや鮎釣りに来とくれる人や、何気なしにぶら〜っと来なる人、いろんなお客さんとの出会い、話をするのが一番の楽しみです。鮎の時期には『旬のものを食べると元気になるでなぁ』と言うてわざわざ来とくれる人もありますよ」。

 

 清流の畔に建つ食堂でお話を聞いている間、窓から涼風が入り、せせらぎとカジカ蛙の澄んだ声が響いていました。

 

京丹後市弥栄町野中
安田芳乃さん
昭和28年に同地区内から安田家に嫁ぐ。旧弥栄町農協や弥栄町青少年山の家に勤務。退職後に空き店舗を改装して「田舎の料理 山崎屋」を開店し、今年で10年になる。
 
葉を取る前の谷水菜。葉の形状などからウワバミソウの地方名と思われる。地方によってミズナ・ミズブキ・アカミズなどとも呼ばれ、山地の渓流沿いなど湿った場所に群生する。
安田家の谷水菜の煮物

材料
谷水菜(茎)1kg、しょう油200cc、みりん100cc、実サンショウ(煮たもの)少々、雑魚100g、だし汁500cc、ちりめんじゃこ適量、塩少々、タンサン小さじ1/2

作り方
【1】谷水菜の葉を1枚1枚手早く取り除き、茎をきれいに洗った後、3cmぐらいの長さに切る。
【2】湯を沸かして塩・タンサンを入れ、谷水菜を約15分間茹でる。そのまま一晩ぐらいおく。
【3】雑魚でだしをとり、しょう油・みりんを各分量の1/3ほど入れ、うどんのつゆくらいの味に整える。
【4】(3)のだしに(2)の谷水菜を入れ、適時、しょう油とみりんを加えながらとろ火で煮る。谷水菜からも水分が出るので、だし汁の分量が常にひたひたになるよう小まめに気をつける。
【5】谷水菜に味がしみ込んだらちりめんじゃこと実サンショウをまぜる。
タンサンを入れて茹でることで美しい青色になる。

だし汁の分量を常にひたひたに保つ。

 

 
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