JA京都

2008.09 Vol.78





 周りを美しい山々に囲まれ水の豊富な美山町では、豊かな自然条件を生かし、昭和62年頃から京のブランド産品の一つである伏見とうがらしの栽培が行われています。

 

 農家の高齢化に伴い、それまで転作作物として栽培してきたきゅうりや白菜等に代わり、少しでも労力が軽減できる作物がないかと検討し導入されたのがきっかけです。ちょうどその頃、京都府が京の伝統野菜の普及拡大に動き出していたこととも相まって、病気や害虫被害、獣害などが少なく、軽量で扱いやすいことから生産振興が進められました。

 

 現在生産者10人、栽培面積40アールで露地栽培に取り組んでおり、夏期の主力品目として7月上旬から10月下旬にかけて出荷されています。平成19年度の販売量は約7トン、販売高は約380万円でした。

 

 栽培上の注意点としては、気温が安定しない7月上旬から8月上旬にかけて「尻腐れ」と呼ばれる果の先端が腐ってしまう病気が発生する事があります。このような尻腐れ果の混入を防ぐため、生産者は出荷の際、選別作業を入念に行っています。

 

 また部会では、ほ場を見学する互見会や出荷開始前には視察研修、そして出荷期中には目合わせ会を適時開いています。出荷終了後には反省会を行い、次年度に向けての課題などの意見交換を実施することで、良品生産に努めています。

 

 伏見とうがらしは、辛いものがなく調理も簡単で食べやすい産品です。食欲をそそる鮮やかな緑の色味が食卓を彩り、夏場には欠かせない一品のため、需要もあり、また栽培しやすいことから多くの生産者にお勧めしています。美山町では今後も、より良品の栽培と産地の拡大を図っていきたいと考えています。

 
味噌の風味と香ばしさが
素材の味を引き立てる

伏見とうがらしの
味噌焼き
●材料(4人分)

●伏見とうがらし……12〜16本
[調味料]
●赤味噌…………………大さじ3
●砂糖……………………大さじ1
●酒………………………大さじ1

●作り方
(1)伏見とうがらし3〜4本を楊枝2本に刺す。
(2)調味料をよく混ぜておく。
(3)焼き網に並べて両面を焼く。
(4)色が冴えてきたら味噌を塗り、その後、軽くあぶり焼きにする。
料理のコツ
伏見とうがらしも味噌も、焼き過ぎると焦げて味と香りが損なわれてしまいます。2回目以降焼く時は、軽くあぶる程度にとどめておきましょう。
伏見とうがらし、なす、だしのうまみが三位一体となった、夏バテ解消メニュー
伏見とうがらしと
焼きなすの煮びたし
●材料(4人分)

●伏見とうがらし…10本
●なす………………8本
●みょうが…………2個
[煮汁]
●酒……………大さじ3
●だし汁………2カップ
●しょう油……大さじ1
●塩…………小さじ1/2

●作り方
(1)伏見とうがらしはつめで切れ目を入れ、色良く素揚げにしておく。
(2)なすはへたを付けたまま包丁で切れ目を入れて、真黒に焦げるまで焼く。その後、皮をむいてへたを切り落とす。
(3)鍋に煮汁を入れ、(1)(2)を弱めの中火で5分煮た後、そのまま冷やしておく。
(4)器に盛り、みょうがの千切りを飾る。
料理のコツ
切れ目を入れずに伏見とうがらしを素揚げすると、途中で破裂する恐れがあります。事前に切れ目を入れることをお忘れなく。
京野菜部会女性部
美山支部
 

 美山支部ではスーパー等で京野菜を使った料理レシピ集を配布し、都市部の消費者へ京野菜の販売促進に取り組んでいます。また、年に2回(夏・秋)は料理教室を開催し、京野菜を用いたアイデア料理の研究にも積極的に取り組んでいます。


 伏見とうがらしは、正式名称を「伏見甘長とうがらし」と言います。また「ひもとう」とも呼ばれ、とうがらしの中では最も長くなる品種です。辛みはなく、さわやかな風味と甘さがあり、カルシウムや食物繊維、ビタミンCなどを豊富に含みます。また、強い抗酸化作用を持つため免疫力強化やガン予防にも有効と言われています。焼く・煮る・揚げると調理法も多様で、葉は佃煮にして食べられます。
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